おさんぽで、首がしまることは、もうない。
自ら手織りした布を用い、わんちゃんの心と体に負担をかけにくい形のハーネスをオーダーメイドで製作しています。 のんびりゆったりおさんぽできる3mリードもおすすめです。

手織り布のパネル


今日ご紹介するのは、手織り布のパネルです。
先日お見せした写真はトンカチ・ガンタッカー・水張りテープでした。
先週末、わたしはそれで手織り布をパネルに張っておりました。

まずは完成品をご覧ください。

「わかば」


「こぼく」


「あげは」

以上の3点組です。
「わかば」は通常ハーネスに使用しているパターンの緯糸部分を使用し、「こぼく」「あげは」はあえて違う織り方をした部分を選択しています。
通常パターンはハーネス用に約3cmの繰り返しなのですが、今回は「画面」として見たときに美しくあることを大切にいたしました。


過程を細かく撮影してはいないのですが、

・パネルに和紙を貼る。
・布をカットする。
・パネルに布を張る。
という順で製作しています。


裏側はこのような形で、水張りテープで縁取りをしました。
また、飾る際に紐をかけられるように、三角の吊り具も取り付けしています。
学生時代以来のパネル張り、記憶をたどりながらの製作でしたが、なんとかきれいに張ることができました!!


このパネル張りはわたしにとって非常に意味のある作品です。
なんと、ご注文いただいたのはもう5年近くも前になります。


・・・以下、クリスマスのちょっといい話。のふりをした自分語り・・・






5年ほど前、わたしは動物病院に勤務していました。
勤め始めたころ、ドクターのひとりにM先生という方がおり、半年ほど一緒に仕事をさせていただきました。
お若いのに非常に優秀で、アグレッシブで、独特の力強さのある方でした。
明らかに話を半分も理解できていないわたしに学術的なことを熱く語ってくださることもありました。
先生の頭の回転についていくことができずに振り回されたりもしましたが(笑)、そんな手加減のなさが刺激的で、一緒に働いていてとても楽しかったです。

先生はわたしが大学で染織を専攻していたことをご存知でした。
制作に対する若干の未練があったこともご存知だったのかもしれません。
そして、退職される前にわたしにこうおっしゃったのです。
「やりたいのなら今すぐ作品をつくりはじめるべきだ」
「1年後にできないことは10年後にもできない」
「1年以内に作品をつくって僕に送ってくれ」
「代金は今先払いする」

少しばかりの押し問答のすえ、わたしは最終的にそのお金をいただき、1年後に作品を送ることを約束しました。

先生が忙しい中でも勉強を続け、希望の大学院への進学を決められたことを知っていました。
いくらわたしが忙しい忙しいといったところで、夜勤を重ねながら勉強を続けていた当時の先生ほど忙しいはずはありません。
やろうと思えばなんだって出来たはずです。
それでもわたしは1年後に先生に作品を送ることができませんでした。
制作と名のつく行動を一切しないままでいました。

申し訳ない気持ちを抱えつつ、連絡をとる勇気を出せずに日々を見送ってきました。
「1年後」の約束はいつも心の片隅を占めていました。
情けない気持ちになったり、なんとかしなくてはと思ったり、思うだけでなにもしようとしない自分に絶望したり…と、そんな時間を繰り返す中で、ある日ふと、わたしはハーネスのお店の構想を抱きはじめたのです。
「1年後」の約束から、1年がすでに2回過ぎていました。

「1年後にできないことは10年後にもできない」

わたしは見切り発車でお店をはじめました。
周囲にはさも以前から用意していたような言い方をしていましたが、実のところ完全にダイビング状態でした。
しかし「1年後にできないことは10年後にもできない」のだとしたら、今やらなくて一体いつお店を始めるというのでしょう?
思いつきから半年もたたないうちに店舗を契約しました。
考えなしで動き出したために苦労したことがあったのも確かなのですが、開店に踏み切ったことを後悔したことは一度もありません。

Yarn Yawnの構想を抱いてから2年、お店を開店してから1年半が経ちました。
今年は結婚を決め、引越しを決め、三鷹の実店舗の閉店を決め、今後も仕事は続けることを決め、と大きな決断の多い1年でしたが、新たなスタートに向けてわくわくする年でもありました。
そんな中での唯一の心残りは、いまだ果たせていない約束です。
このまま転居して、姓も変わってしまったら、先生と連絡が取れることはもう二度とないのでは…。
今までもずっと気になってはいましたが、今年に入ってからの気になりぐあいは相当なものでした。

すると、なんと!
今月、ついに奇跡が起きましたーー!!

何があったのかは、こうしてお送りする作品を用意できたことからお分かりかと思います。
なにかひとつ言うとするならば、フェイスブックすごい。
この一言に尽きます(笑)。


M先生、本当にありがとうございました。
先生の言葉と行動がなければ、わたしはお店をはじめることができなかったでしょうし、そうなるとおそらくは結婚にたどり着くこともなかったことでしょう。
わたしはこの2年、文字通りやりたいことしかやらずに過ごしてきました。
それでもわたしの製品を求めてくださる方や興味を持ってくださる方がいて、お店を破綻させることなく2年という時間を超えることができました。
やぶれかぶれにしろ一歩を踏み出したことで、わたしは大きな自信を得ることができました。
やってみれば意外となんとかなる。やらなければなにもはじまらない。
体力的にも思想的にも、あらゆる意味で自分にとって無理のないかたちで生きる道が見えてきたように思います。
背を押してくださったのはあの日の先生です。
いくら感謝してもしたりません。
お送りした作品によって感謝の一部分でもお伝えすることができたら嬉しく思います。

先生の更なるご活躍をいつでも願っています。
いつかまたお会いできたら、あの頃と変わらない弾丸トークをビシビシ聞かせてくださいね♪



手織り 手作り オーダーメイド 犬にやさしいハーネスのお店 Yarn Yawn (ヤーン ヨーン)
わんちゃんの心と体にやさしいオーダーメイドハーネスと、のんびりゆったりおさんぽできる3mリードを、ひとつずつ手作りで製作しています。ご注文・ご質問など、なんでもお気軽にご連絡ください。
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